バーテンダーが教えるカクテルの作り方〜ステア編

ステア カクテル講座とお酒について

 

カクテル

 

皆さまお疲れ様です!

Sweets bar 足跡の店長サトルです!!

 

今回からはステア編に入っていこうと思います!

 

お客様目線で見た時、本当に地味な作業なのではないかと個人的には思います。

 

シェイクのようにシャカシャカ音もないですし、動きも派手ではありませんからね、、、

 

でも、知れば知るほど奥が深く、地味な動きが一転して、なんて高度な技術が詰まっているんだ!と感動すること間違いなしです!

 

 

過去記事ではその他の技法であるビルドの中でのステア、シェイクについてを詳しく解説しています。

ぜひそちらもご覧ください。

 

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バーテンダーが教えるコーナー~ステアって??~

 

ステア

 

そもそもステアとは、過去記事のビルド編でも軽くご紹介したように2つの意味があります。

 

1つ目の意味は

バースプーンを回す動作のこと

 

2つ目の意味は

ミキシンググラスの中でお酒を混ぜ合わせるカクテル技法です。

 

今回ご紹介するのは、

2つ目の意味に当たるカクテル技法の方です。

 

過去の記事では、ステアに使用するバースプーンや、その回し方について紹介しています。

ぜひそちらもご覧ください。

 

今回ご紹介するステアは、カクテルの王様「マティーニ」や、カクテルの女王「マンハッタン」に使われる技法です。

 

どちらも作るときに僕は少しピリッとしてしまいます、、、

それだけ繊細なカクテルです!

 

おそらく大半のバーテンダーの方がビルド、シェイク、ステアの順番で修行なさっているのではないでしょうか?

 

ステアは、比重の軽い材料をかき混ぜるのに適しています。

 

適度な加水を加えることで香りを開き、材料の魅力を最大限引き出すことのできる技法です。

 

 

ステアに必要な道具

それでは、ステアに必要な道具からご説明していきますね

 

まずはミキシンググラス

 

ミキシンググラス

 

一般的な容量としては、500~600ml程度です。

 

お店によって求めるこだわりが違うので、そこらへんは氷の大きさやよく作るカクテルの容量で調整するのがベストかと考えています。

 

最近は金属でできた、熱伝導率が良く、氷が溶けにくくできているようなものもあるので、購入される際はご一考ください。

 

次はストレイナー

 

ストレイナー

 

要するに液体のみを通すようにする蓋のようなものなのですが、これはセットで売っていることが大半なので、ミキシンググラスと同時に購入されることをお勧めします。

 

ただ、稀にストレイナーのバネの強度が気にくわないので買い換えるという方もおられるので、そちらも色々と試しながらになるのかもしれません。

 

ちなみに僕はストレイナーにそこまでこだわりはありません。

 

セットのもので十分だと思います。

 

最後に忘れてはいけないバースプーン

 

スプーン

 

前述のように、過去記事でご紹介はしていますが、ここでは少しだけ補足させていただきます。

 

ミキシンググラスの大きさや長さによっては、もしかしたらお持ちのバースプーンを短く感じられるかも知れません。

 

短いと指の振り幅が大きくなり、手首にある程度の負担がかかります。

 

少しでもしんどいと感じられると、せっかくのカクテル作りが楽しくなくなってしまうので、長いものをお勧めします!

 

ちなみに僕が使用しているものは40cmのものです。

 

 

 

 

バーテンダーが教える~ステアの手法~

 

 

カクテルによって多少順番や入れるものは変えているのですが、今回はスタンダードなやり方をご紹介します。

他のやり方については、別のカクテルでご紹介します

 

  1. ミキシンググラスに氷を入れる

ステアでは、純氷を強くお勧めします。

理由としては簡単で、製氷機の氷は溶けやすく、味が決まり切らないからです。

 

  1. を入れて軽くステアする

水を入れて氷についた余計な霜や、溶けやすい氷の角を取ります。

ここでステアをし過ぎると氷の溶けが速くなるので、意外と重要なステップです。

 

  1. 水を切る

ストレーナーをかぶせて水を切ります。

ここで水が残ると今後のカクテル作りにも影響が出るので、しっかりと水切りをしてください。

 

  1. 材料を入れてステアする

ここでは手早さが重要になってくるのですが、別のグラスにあらかじめ調合しておいて、それを移すのも一つの手かなと思います。

 

ステアをする際は左手の指先を下の方に添えます。

 

べったりと手をつけてしまうと、カクテルに手の温度が伝わってしまうので注意が必要です。

 

ステアの際は、指先の温度、香りの上がってくるポイントに注意しましょう。

 

  1. ストレーナーをかぶせ、カクテルグラスに注ぐ

注ぐ際はストレーナーが外れないように、人差し指で抑えるようにしましょう。

 

アルコール度数が高ければ高いほど、粘度が高いため注ぎやすくなります。

 

 

 

 

マンハッタンとは?

 

マンハッタン

 

今回ステアをご紹介するにあたって選んだカクテルは「マンハッタン」です。

発祥には諸説あります。

 

ですが、第19代アメリカ大統領選の時に、チャーチル首相の母親がマンハッタンクラブというニューヨークにあるクラブでパーティーを催し、ウイスキーとスイートベルモットの組み合わせを提案したというのが一番メジャーかと思います。

 

ウイスキーベースのカクテルの中で一番エレガントなカクテルだと僕は思います。

 

この組み合わせを考えたチャーチル首相のお母さん、ありがとうございます!

 

 

マンハッタンに使うウイスキーを説明します!

 

種類

 

マンハッタンは、ライウイスキー、バーボンウイスキー、カナディアンウイスキーと、ベースのお酒が幅広いカクテルです。

 

まずはライウイスキーから!

主原料はライ麦です。

 

アメリカが主な産地で、法律では「原料となる麦芽駅の51%以上がライ麦で作られているもので、内側を焦がしたオーク樽での2年以上の熟成が必要」と決まっています。

 

それ以外は主にトウモロコシと麦芽です。

 

次にバーボンウイスキー

日本の居酒屋でも「ジム・ビーム」等で身近になってきているウイスキーですよね。

 

歴史としては、アメリカ合衆国発足の年である1789年にエライジャ・クレイグ牧師によって作られ始めたのが最初といわれています。

 

こちらもアメリカの法律では、

・アメリカで製造されていて

・原材料のとうもろこしの含有量が51%以上であること

・新品の焦がしたオーク樽を製造に用い

・80%以下の度数で蒸留されていること

・熟成のために樽に入れる前のアルコール度数は62.5%以下であること

・製品として瓶詰めする場合のアルコール度数は40%以上であること

等があります。

 

やはり国を代表するお酒は縛りが多くて大変ですね、、、

 

最後はカナディアンウイスキー

法律では

・穀類(主にトウモロコシ、ライ麦、麦芽)のみを原料とする

・カナダ国内で蒸留、熟成していること

・熟成は容量180ℓ以下の樽を用いること

・最低熟成年数は3年以上

となっています。

 

昔は「one day whisky」と呼ばれていたほど、お粗末な味だったそうですが、今はそんなことを感じさせることはありませんね。

 

日本でも世界5大ウイスキーの中に入っていたりしますし、飲みやすい良いウイスキーだと個人的には思います。

 

 

 

 

バーテンダーが教える~マンハッタンの作り方~

 

それでは作り方の説明に入ります!!

 

マンハッタンのレシピ

ライ・ウイスキーorバーボン・ウイスキーor カナディアン・ウイスキー45ml

スイートベルモット15ml

アンゴスチュラビターズ1dash

 

僕は、ウイスキーは「カナディアン・クラブ」

スイートベルモットは「ノイリープラット」を使用しています。

 

まずはショートグラスを冷やします。

 

その次は添えるマラスキーノチェリーの用意

 

そうしたら、ミキシンググラスの準備に入ります。

 

氷を積みます

 

 

ここでは氷をできるだけ隙間がないように詰めていきましょう。

氷の量が増えることで溶けにくくなります。

 

次はそこに

水を入れて、ステア

こうして氷についている余計な霜や角を取り、カクテルに雑味が出ないようにします。

 

水を捨てる

水はしっかりと切り、カクテルに水っぽさを与えないように注意しましょう。

 

カクテルの材料をミキシンググラスに入れる

 

氷

 

刻一刻と氷は溶けていきますので、ここでの手早さは大切です。

ここで慌てるのが嫌な場合は、別のグラスにあらかじめ材料を入れておくのも良いと思います。

 

いざステア!

 

 

ステアをしていくと、一気にグラスの中の香りが開く瞬間があるので、その瞬間に止めることを僕は意識しています。

 

また、グラスの中でお酒が混ざりきっていない場合は、もやもやが見えるので、それが消えるまでというのも目安の一つかと思います。

 

グラスに注いで、チェリーを飾り、完成!!

 

カクテル

 

 

 

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回は技法としての「ステア」とウイスキーの香りをベルモットが引き立たせる見事なカクテル「マンハッタン」をご紹介しました。

 

なんども書いているような気がしますが、ステアって本当に見た目は地味ですよね。

 

でも、練習をして、実際にバーに飲みに行く内にどんどんその魅力が花開いていくように僕は感じています。

 

バーによってこだわりが違うのも、カクテルの魅力ですね!

 

それがグラスなのか、レシピなのか、ステアの仕方なのか、氷のチョイスなのか、、、、

 

挙げだすとキリがありませんが、ぜひ皆様もバーのこだわり発見に挑戦してみてください。

 

さらなるお酒の世界が広がること間違いなしです!!

 

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